弔電で用いる「ご冥福をお祈りいたします」の意味とは?使用上の注意点や言い換え表現、文例を紹介

#お悔やみ・葬儀・法事・法要

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弔電を送るときや葬儀の際に使われる「ご冥福」という言葉。よく耳にする表現ですが、実は使用時に注意が必要であることは、あまり知られていないかもしれません。

「ご冥福」は、故人やご遺族の宗派、声をかける相手によっては使用できない言葉です。

この記事では、ご冥福の意味や注意点、使用文例について解説します。正しい使い方を知って、故人やご遺族の心に寄り添う弔電を送りましょう。

■弔電で用いる「ご冥福」の意味とは?

「ご冥福」という表現は私たちにとってなじみ深いものですが、言葉の正しい意味を知らずに使っている方もいるのではないでしょうか。

そもそも「ご冥福」とは、仏教に基づいたお悔やみの言葉です。「冥」は死後の世界(冥土)、「福」は幸福のことを表し、「ご冥福」は故人の死後の幸せを指す言葉として使われています。

したがって「ご冥福をお祈りします」は、死者が死後の世界でさまようことなく、無事に転生できるように祈っている、という意味のお悔やみの言葉なのです。

■弔電で「ご冥福」を使わないほうがよいケース

ニュースなどでも耳にする「ご冥福をお祈りします」という表現は、故人を想ってよく使われる言葉ですが、場合によっては使用しないほうがよいケースもあります。

この章では、弔電で「ご冥福」の使用を控えたいケースについて見ていきましょう。

◇故人やご遺族の宗派が仏教でない場合
先述のように、ご冥福は仏教の宗教用語であるため、キリスト教や神道などといったほかの宗派の方にかける言葉としては適切ではありません。なぜなら、宗派によって死生観が異なり、仏教以外には「冥福」という考え方がないためです。

厳密にいうと、絶対に使ってはいけないということはありません。しかし、なかには「配慮が足りない」と不快に思ったり傷ついたりする方がいるため、不安なときは使用を避けたほうが無難でしょう。

◇故人ではなくご遺族に言葉をかけたい場合
ごく稀に、ご遺族に対して「ご冥福をお祈りします」と伝える方がいますが、この表現は故人にかけるときに使用するもので、ご遺族にかける言葉ではありません。ご冥福は、死後の世界での幸せを願う言葉であるためです。

故人に対して言葉をかける弔電に記載することは問題ありませんが、ご遺族へのメッセージを伝える弔電に記載することは、厳密には間違いであることを知っておきましょう。ご遺族宛ての弔電の場合は、「〇〇さん(故人)のご冥福をお祈り致します」と記載するのがマナーです。

ただし、大切な人を亡くしたショックで、故人のあの世での幸福を祈ってもらっても心が整理しきれない、という方も少なくありません。したがってご遺族の状態によっては、ご冥福という表現そのものを使用しないほうがよいケースもあります。

■弔電で「ご冥福」の代わりになるお悔やみの言葉

宗派に配慮して「ご冥福」という表現の使用を避けたいとき、弔電にはどのような表現を用いればよいのでしょうか。この章では、弔電を送るときに押さえておきたい、ご冥福の代わりになる表現を宗派ごとに紹介します。

また、宗派ごとの死生観についても簡単に解説しているので、弔電を手配するときや葬儀に参列するときは、ぜひ参考にしてください。

◇宗派に関係なく使える言葉
故人やご遺族の宗派に寄り添って言葉をかけられれば一番よいのですが、相手の宗派を知ることができないケースも多々あります。この場合は、宗教色のない表現を使いましょう。

例えば、悲しむ気持ちを伝える「哀悼の意を表します」や、故人を弔う「謹んでお悔やみ申し上げます」といった表現は、宗教色を持たない言葉です。どのような宗派の方にかけても問題ないため、迷ったらこの表現を用いることをおすすめします。

◇キリスト教で使うお悔やみの言葉
キリスト教では、人が亡くなると神様のいる天国に召されると考えられているため、死が悲しいことであるととらえられていません。ご遺族の方も死を「一時的な別れ」と考えることが多く、「死後の世界をさまよわないこと」を祈るご冥福という表現は適切ではないとされています。

そもそもキリスト教の場合、故人の死を悲しむお悔やみの言葉を使用しないことが一般的であるため、十分に注意しましょう。「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」「平安をお祈り致します」「安らかな旅立ちになりますよう、心からお祈り申し上げます」といった表現が適切です。

◇神道で使うお悔やみの言葉
八百万の神(やおよろずのかみ)を信仰の対象とする神道では、亡くなった人は氏神となり、家や子孫を守ってくれる存在になると考えられています。生まれ変わりを信じている仏教とは異なり、神道では故人の魂が神様のいる世界に還るとされるため、ご冥福という表現は使いません。

代わりに、「御安霊(ごあんれい)の安らかならんことをお祈りします」「御霊(みたま)のご平安をお祈りします」「心より拝礼致します」といった表現を用いましょう。さらに神道では、冥土や成仏、供養、往生といった、仏教でおなじみの表現を避ける必要があります。

関連記事: 押さえておきたい神式の弔電マナー|使用を避けるべき言葉と文例を紹介

◇浄土真宗で使うお悔やみの言葉
一般的には、浄土真宗は仏教のなかの一派であるとされています。しかし同じ仏教でも、浄土真宗では亡くなった人はすぐ仏様になる「臨終即往生(りんじゅうそくおうじょう)」という考えであるため、死生観が大きく異なる点に注意が必要です。

浄土真宗において、「ご冥福」という表現は「仏様になれずに冥土へ迷い込んでしまうこと」を表すため、不適切だとされています。そのため「お悔やみ申し上げます」など、宗派に関係なく使える表現を用いたほうが、故人やご遺族のお気持ちに寄り添えるでしょう。

■「ご冥福」という表現を用いた弔電の文例

最後に、故人やご遺族の宗派が仏教であり、「ご冥福」を使っても問題ない場合の文例を紹介します。弔電の文面にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

◇親族や知人に弔電を送る場合
このたびは〇〇さんの突然の訃報に接し 大変驚いております
お元気だった頃のお姿ばかりが目に浮かび いまだに信じられません
ご遺族の方々のお悲しみはいかばかりとお察し致します
心から〇〇さんのご冥福をお祈り申し上げます

〇〇様のご逝去を悼み 謹んでお悔やみ申し上げます
ご家族皆様のご心痛いかばかりかとお察し申し上げますとともに
心より〇〇様のご冥福をお祈り致します

◇取引先に弔電を送る場合
このたびは〇〇様のご逝去に接し 惜別の念を禁じ得ません
いつも精力的に仕事をされていた〇〇様には 語り尽くせない恩義を感じております
ご生前のご功績を偲び 弊社社員一同 心から〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます

貴社〇〇様の不慮のご逝去に際し 驚愕しております
生前の多大なる功績に 尊敬と感謝の意を表します
社員ご一同様のお嘆きをお察し申し上げますとともに
心から〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます

■弔電を送るときは「ご冥福」の使い方に要注意

「ご冥福をお祈りします」は、弔電でよく使われるお悔やみの言葉ですが、宗派や声をかける相手によっては使用できないことがあります。弔電に記載した内容でご遺族に心の負担をかけないよう、正しい使い方や意味を押さえておくことが肝心です。

弔電を送る際には、宗派に合ったお悔やみの言葉を伝えることを意識しましょう。万が一、相手の宗派がわからないときは、宗教色のないお悔やみの言葉を用いるのがおすすめです。この記事を参考に、故人やご遺族に寄り添った弔電を作成してみてください。

その他の弔電の文例はこちらからご覧いただけます。

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