弔電で避けるべき「忌み言葉」とは?宗教別の文例も併せて紹介

#お悔やみ・葬儀・法事・法要

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弔電を送る際、使用してはならない「忌み言葉」があることをご存知でしょうか。葬儀や結婚式のような冠婚葬祭の場において、言葉の使い方には十分に注意が必要です。

本記事では、弔電で避けるべき忌み言葉の種類、言い換え表現の例を解説します。ご遺族の方に対して失礼のない表現をするため、正しい言葉の使い方を確認しておきましょう。

■弔電で使用できない言葉│忌み言葉と言い換えの例

弔電の忌み言葉は、使用を控える、もしくは別の表現に言い換えることで対処します。

ここでは弔電で控えたほうがよい忌み言葉の例と、それぞれの言い換え表現について紹介します。

◇不幸の重なりを連想させる言葉(重ね言葉)
同じ言葉を繰り返す表現は、不幸な出来事が重なることを連想させます。そのため避けたほうがよいでしょう。

・次々→たくさん/休みなく
・ますます→もっと/さらに
・重ね重ね→加えて/深く
・いろいろ→多くの/多彩な
・たびたび→よく/いつも
・近々→近いうちに
・わざわざ→あえて/そのために
・だんだん→少しずつ
・くれぐれも→どうぞ/よく/十分に/あらためて
・日々→毎日
・いよいよ→さらに/ついに/一段と
・ぜひぜひ→ぜひ/ぜひとも
・時々→時折/たまに
・さまざま→多様
・まだまだ→まだ/より/もっと
・どんどん→たくさん/積極的に/たっぷり
・みるみる→見るまに
・つくづく→心から


◇不幸が続くことを連想させる言葉
「続く」「繰り返す」を意味する言葉も、重ね言葉と同様に言い換えを行います。

・続いて→同様に/同じく
・追って→のちほど
・引き続き→これからも
・再び/再度→いま一度/あらためて
・また→さらに/いま一度
・次に→その後/別の機会に/新たに
・何度も→大変多く/頻繁に
・忙しい→多用


「亡」という文字が入っているため「忙しい」も忌み言葉とされています。

◇不吉で縁起が悪い言葉
縁起が悪いとされるネガティブな意味の言葉は、言い換えが難しいため使用しないようにしましょう。

・辛い
・苦しい
・消える
・迷う
・切れる
・とんでもない
・終わる


また「死」や「苦しみ」を連想させるため、数字の「四」や「九」についてもなるべく使用を控えてください。これらの数字を使う場合は、算用数字で書くか、読み方を変更するなどの方法で対処します。

・四(死)→4/よん/よっつ
・九(苦)→9/きゅう/ここのつ


◇生死を連想させる言葉
弔電の文章を作る際、生死に関して直接的な表現は避けるようにしましょう。

・急死→急逝/突然のこと
・死亡/死ぬ→逝去/他界
・生きていたころ→ご生前/お元気でいらしたころ


■忌み言葉の他に、弔電で避けるべきこと

大切な方とのお別れの場面で、ご遺族の心を傷つけるような言葉も避けなくてはなりません。

悲しみに暮れるご遺族に対して「頑張ってください」「早く立ち直りましょう」のような安易な励ましはNGです。また「生前に○○をしていたら……」のような、過去を後悔させるような表現も控えましょう。

なによりも、ご遺族に対して負担にならないように配慮することが大切です。「ご遺族の皆様のご心痛 いかばかりかとお察し致します」のように、相手を気遣う表現を選びましょう。

■【宗教別】弔電で避けるべき言葉・表現

ここまで忌み言葉の種類を紹介してきましたが、実は宗教ごとに使用してはならない言葉が異なります。ここでは「仏教」「神道」「キリスト教」の3つに分けて、注意すべき表現を解説します。

◇故人の宗教が「仏教」の場合
仏教の場合、亡くなった方の魂は冥土へと旅立ち成仏するといわれています。そのため、「迷う」「苦しむ」「浮かばれない」など、故人の魂がさまよっていることを想起させる言葉は避けなくてはなりません。

なお、仏式の葬儀でよく使われる「冥福」という言葉について、浄土真宗の葬儀では用いられないことに注意してください。同じ仏教でも、浄土真宗では「死後の魂は冥土を旅せず、故人は浄土で仏になる」と考えられているためです。

◇故人の宗教が「神道」の場合
神道における葬儀は、亡くなった方の御霊を神として祀る儀式です。「冥福」「成仏」「供養」「往生」などの仏教用語は、神式の葬儀では使用しないようにしましょう。

関連記事:
押さえておきたい神式の弔電マナー|使用を避けるべき言葉と文例を紹介

◇故人の宗教が「キリスト教」の場合
キリスト教の葬儀でも、神道と同様に仏教用語の使用はNGです。

またキリスト教の場合、死は「終わりではなく始まり」「神のもとに召される祝福すべきこと」と考えられています。そのため、お悔やみの言葉、ネガティブな表現は使わないようにしましょう。

■【宗教別】弔電の文例

故人の宗教がわからない場合には、宗教に関係なく使える表現を用いましょう。

【宗教を問わず使える文例】
○○様のご逝去を受け 心より哀悼の意を表します
故人の安らかな眠りをお祈り申し上げます

なお、仏教・神道・キリスト教のうち、どの宗教を信仰しているか判明しているときには、以下の弔電の文例を参考にしてください。

◇仏教の文例
ご逝去の報に接し 惜別の念を禁じえません
ご生前のお姿を偲びつつ 心からご冥福をお祈り致します

○○様のご逝去を悼み 心からご冥福をお祈り申し上げます
遠方のため駆け付けることができず 残念でなりません
安らかにご永眠されますようお祈り致します

※浄土真宗の葬儀では「冥福」という言葉を使わない、以下の文例を活用しましょう。

○○様の突然の訃報に接し いまだ信じられずにおります
ご家族の皆様のお悲しみもいかばかりかとお察し致します
ご供養のためにも どうぞご自愛くださいませ

突然の悲報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます
故人の安らかな旅立ちを 心よりお祈り致します

◇神道の文例
ご逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます
弔問かなわぬ非礼をお詫びし 故人の安らかな眠りをお祈り致します

○○様のご急逝の報に接し 残念でなりません
御霊のご平安をお祈り申し上げます

○○様のご訃報に接し 痛惜の念でいっぱいです
ご生前の厚情に深く感謝するとともに 心よりお悔やみを申し上げます

○○様のご訃報を受け 悲しみにたえません
御霊の安らかな眠りをお祈り致します

◇キリスト教の文例
○○様に出会えたことを 神に感謝致します
神の御許にお導きがあらんことを お祈り申し上げます

○○様の御昇天の報に接し 心から哀悼の意を表します
ご家族皆様のうえに 主イエス様のお慰めが注がれますよう お祈り申し上げます

御昇天の報に接し 心から哀悼の意を捧げます
神の御許で安らかに憩われますよう お祈り致します

神の御許に召されました○○様が
天国で安らかな眠りにつかれますよう 心からお祈り申し上げます

■弔電の忌み言葉を避け、言い換え表現を使用すること

弔電の忌み言葉には、日常生活で何気なく使用しているものも多数含まれています。文章中で忌み言葉を使う必要がある際には、表現を工夫のうえ用いるようにしましょう。

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